24人が本棚に入れています
本棚に追加
「くそー」
オレも負けじと二階にドタバタと駆け上がり、途中…ふと正気に戻る、何をムキになってるんだ高校生にもなって。
オレは苦笑いしながら、指で頭をかきながら、今度は普通に階段を上がった。
「よっし、この部屋は私が頂いたわ~!」
二階に上がるなり、そんな声がきこえてくる、オレより1歳しか違わない姉ちゃんだが、一応は姉らしい威厳と言うものを持ってもらいたい。
「そんなに良い部屋なんかい?」
オレは姉ちゃんの声が聞こえた部屋に向かい、中を覗き見た。
「ほう」
「どうよ、いい部屋でしょー」
確かに悪くない、窓は北向きだが、歩道を挟んだ向こう側は森があり、窓を開くと緑の香りが鼻をくすぐる。
今は春、これから夏になる訳だが、これは涼しい部屋になるだろう、唯一の欠点は日当たりが悪い事だろう、北向きの部屋なので太陽が入らないのだ。
「でもさ、ちょっと薄暗くないか?」
思った事を口にすると、姉ちゃんは固い床にも関わらず、ゴロゴロと転がりながら『いいも~ん』と満面の笑みだ。
「子供かよ」
オレは姉ちゃんの行動に思わず、そう呟いていた。
……………………………
引っ越し業者のおかげで、楽に荷物の搬入が終わり、各々の私物を決めた部屋に持ち込んで、設置してもらったタンスには服を入れ、その上にはコンポを置いた。
机には教科書とノート、ベッドを整えた。
2~3種類のコミックを棚に入れ、プレイステーションをテレビに接続、よく遊ぶのはRPGだ。
個人的にハマったのは、ワイル○アームズと言うゲームで、これは正に傑作だろうと思う。
特にアームズと呼ばれる、古代兵器の銃器が最高だった、メチャメチャに改造して最高レベルまで強化した、未だにプレイデーターはしっかり残してある。
ちなみに姉ちゃんは、部屋にパソコンとスキャナー、プリンターなどを机と、隣に置いた棚に設置していた。
ああ見えて、実は姉ちゃんはパソゲーが大好きだ、もちろん中身は“アレ”なゲームなのだが、平気な顔でプレイしている。
また、昔から可愛がっているウサギのぬいぐるみを、ベッドの枕元にちょこんと置いてある。
まあ、この辺までは別に変だと思うような物はないだろう、パソゲーはともかく、それも趣味の範囲に収まるかとは思う。
最初のコメントを投稿しよう!