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「な…中島ちゃん?」
「うん、中島ちゃんでいいよね?」
短いツインテールを揺らす女子は、子供みたいに頷いた。
「ええと、まあ…いいわ」
「そう、良かった☆ところで中島ちゃんはどうしてこんな場所に来たの?もしかして青山に連れて来られた?」
「青山に?…やっぱり青山が犯人なの?」
「うん、ワタシ用事があって学校に遅くまで残ってたんだけど、青山が来て『いきなりすまないが、ちょっと手を貸してくれないか』って言われてね、女子トイレに連れて来られて…」
そこまで言った所で、高橋ほのかは手を握り、手首を前に曲げた猫みたいな手で、校舎を示した。
「気づいたら、ここに居たんだよ、他にも7人も女の子が居るんだ」
「そんなに?…青山、とんでもないわね」
「そうなんだよ、しかも何だか分からないけど、学校から逃げられないんだ、外に出る扉がどうしても開かないの」
猫手にした手を小さくバンザイするように上げる、この猫手の真似は彼女のクセなのか…
それより中島は気になる点が二つあった、それは彼女の名前『高橋ほのか』…苗字が、高橋雪菜と同じで、しかも青山に“ここ”に閉じ込められ行方不明者になったとするならば…
「それは困ったわね、…ところで一つ聞きたいのだけど」
「なになに?」
「貴女…ほのかさんは、もしかして高橋雪菜さんのお姉さんでは?」
「えっ?!そうだよ、中島ちゃん…雪菜を知ってるの?」
「ええ、最近友達になったばかりですけど」
「なーんだ、雪の友達なんだ~☆」
妹の友達と知って、親近感とかが湧いたのか、急にフレンドリーな口調になる…。
「はい、それで雪菜さん、貴女が帰らないので、もの凄く落ち込んでて、何とかしてあげたくて、私と他の友達とで貴女を探しに、夜の学校へ何かしらの出掛かりがないかと忍び込んだんです」
「夜の学校に忍び込むなんて、なかなかやるね中島ちゃんも、その友達も☆」
「いえ、…それより、もう少し詳しく話を聞かせて頂けませんか?なんとか、脱出する方法を探さなくては」
「うん、そうだね、頭が増えれば良い方法が見つかるかもだし、とりあえずみんなが居る宿直室に行こ」
「こちらに捕らわれた女の子たちは、宿直室にいるんですか?」
「うん」
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