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「ハイ、ヘルプカードを使います!」
えっ、久美ちゃん。もうヘルプカードを使うの?
《はいどうぞ。彼氏さんに1つだけ質問して下さい》
あっちゃ~この段階で? 切り札だよヘルプカード。
「郁也クン、ご飯の炊き方って、これでOKかなぁ?」
クスクスクス
ハハハハハ
審査員を含めた会場全体から、失笑が漏れる。
久美ちゃんの隣では、熟年カップルの奥さんが卵焼きを焼いている。
ご飯の他に味噌汁も作っているから、シンプルな朝食系のメニューで戦いを挑もうというのだろう。
ベテラン主婦の自信だ。
現在100ポイントの、ロックンローラーのゴスロリ彼女も手際が良い。何やら上等な肉の塊をオーブンに入れた。
そうだ、久美ちゃんを焦らせちゃならない。
そして、まず僕が落ち着こう。
「久美ちゃん。お米の量は、今の1/5にしよう。そして水を入れる。水は掌をお米に押し付けた時、手の甲が1センチくらい隠れる位が良い。火力の調節は難しいけど、とりあえずコゲコゲにだけならないように!」
「うんうん」
久美ちゃんは、素直に頷いた。
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