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何度も言うようだが、僕ぁ料理の腕には程々の自信はある。
もしかしたら、この第2ゲームはイタダキの予感がする。
おっ、司会席で立ったのは七海さんじゃないか。この流れだと、七海さんにも僕の格好良い姿を見てもらえるんじゃない?
そうだ。何とか工夫をして、七海さんにも僕の料理を食べてもらおう。
俄然ヤル気。
かなり燃えてきた! フンフン!
ズラリと並んだキッチンブース。
その前に並べられたパイプ椅子。
《さて、参加者の皆様、時間も押していますので、速やかに位置に着いて下さい》
了解!
僕は久美ちゃんを追い抜き、鼻息も荒く腕まくりまでしてNO1のプラカードが掛かっているガスコンロの前に立った。
きりりと背筋も伸ばした。
《佐々木さん‥‥》
へっ、七海さん、今、僕を呼んだ?
《あのぉ~佐々木さん?》
「は、はい。なんでしょう?」
《第2ゲーム、カップル熱々料理対決は、女性の方に料理をして頂きます》
な?
《男性の皆さんは、そちらの応援席にご着席下さい》
えっ?
ガタンゴトン ガタンゴトン
鉄道橋を渡る赤い電車の車輪の響きがまた。
ビュン
一陣の、河川敷で遊ぶ北風がまた。
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