6人が本棚に入れています
本棚に追加
「久美ちゃん! カレーを作ろう。昔、誕生日会で食べた久美ちゃんのカレー、すっごく美味しかったよ。僕、久美ちゃんのカレーが、また食べたい!」
《佐々木さん?》
あっ、七海さんだ。
「は、はい」
《競技中の応援はもちろん結構ですけれど、アドバイスは控えて下さいねぇ》
「えっ、そんなぁ~」
「プッ」
何だよタカシ、今、間違いなく笑ったろ?
「わ、わかりました‥‥」
僕は渋々椅子に座ったが、チラリとタカシを睨むことだけは忘れない。
「‥‥‥」
あれ? 久美ちゃん、どうしたの? カレーで良いじゃん。何をそんなに悩んでるわけ?
「‥‥‥」
チョチョチョ、どうしたのさ?
「よし!」
うおぅ、久美ちゃんが拳を握った。
「やってやろうじゃないの!」
うおっ、気合いがみなぎってる。
久美ちゃんが、お米の袋にハサミを入れた。
そうだ、時間がない。先ずはご飯からで正解だよ。
次に久美ちゃんは、中くらいの鍋をコンロに乗せた。
ふんふん。
鍋にざざざとお米が入れられる。
ザザザザザザのザ
えっ?
ザザザのザ
おい久美ちゃん。いったい何人分のご飯を炊く気なの?
ザザザ
最初のコメントを投稿しよう!