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僕は15分ほど久美ちゃんの膝の上で揺られた。
高速を降りて暫くすると、カップル達が皆、海だ海だと騒ぎ出した。
少し落ち着いて来た僕も、むくっと起き上がった。
僕が気絶している間に、どうやら休憩時間があったらしい。
港を包む公園とビルに、柔らかいオレンジ色の西陽が当たっている。
長い1日だった。
けれどもまだ終っちゃいない。
バスが駐車場に滑り込むと、七海さんはマイクを握った。
《さて皆様。とうとう最終ゲームが行われる場所に到着致しました》
港で最終ゲームとは洒落てるじゃないか。
《皆様には船着場から、クマさんバス所有のクルーズ船、クマさん丸に乗船していただきます》
ほう。ラストは船で締めくくろうってんだ。粋だねぇ。
《クマさん丸で豪華ディナーを召し上がっていただきつつ、最終ゲームにチャレンジしてください》
僕はもう、何も食べられませんけどね。
《ゲームの詳細は乾杯の後で》
大人の皆さんは、飲み過ぎちゃいけないよ。
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