恋のクルーズ、ドッキドキ!

6/25
前へ
/25ページ
次へ
僕は15分ほど久美ちゃんの膝の上で揺られた。 高速を降りて暫くすると、カップル達が皆、海だ海だと騒ぎ出した。 少し落ち着いて来た僕も、むくっと起き上がった。 僕が気絶している間に、どうやら休憩時間があったらしい。 港を包む公園とビルに、柔らかいオレンジ色の西陽が当たっている。 長い1日だった。 けれどもまだ終っちゃいない。 バスが駐車場に滑り込むと、七海さんはマイクを握った。 《さて皆様。とうとう最終ゲームが行われる場所に到着致しました》 港で最終ゲームとは洒落てるじゃないか。 《皆様には船着場から、クマさんバス所有のクルーズ船、クマさん丸に乗船していただきます》 ほう。ラストは船で締めくくろうってんだ。粋だねぇ。 《クマさん丸で豪華ディナーを召し上がっていただきつつ、最終ゲームにチャレンジしてください》 僕はもう、何も食べられませんけどね。 《ゲームの詳細は乾杯の後で》 大人の皆さんは、飲み過ぎちゃいけないよ。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加