誘惑のくちびる

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――三月になり、校庭の桜も淡いピンクの花を咲かせ、俺は卒業生を見送った。 彼女に逢ったあの日から『俺はロリコンじゃねぇ』と、何度も心に言い聞かせ、実家に足を向けることも、彼女の受験の合否を知ることもなく、至ってノーマルな日常を過ごす。 四月から俺は一年生の担任だ。十五歳~十六歳の少年少女達。始めて受け持つ一年生。 彼女も…確か十五歳だったよな。 学園の女子生徒に、異性を感じたことなんて一度もないが、彼女にドキドキしたくらいだ。やばいな…俺。 みんなにドキドキしていたら、俺は変態教師だよ。
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