きす、キス、KISS

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先生は拳骨された頭を擦りながら、校長先生を睨んだ。まるで小さな子供が、親に怒られているみたいに、大きな背中を丸め項垂れている。 「彩ちゃん、今日町内会の夏祭りがあるんだ。うちの母ちゃんが遊びにおいでって言ってたぞ」 「…夏祭り?楽しそう」 「一緒に帰らないか?輝は仕事が終わったら、実家に寄れ。彩ちゃんを独り占めするな。彩ちゃんは家の可愛い嫁でもあるんだ」 「へいへい」 私は笑いながら、苦笑いしている先生と視線を重ねる。 お盆ではないが、一足早い夏祭り。町内会の行事だけど、ちょっと楽しみ。
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