きす、キス、KISS

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お母さんは浴衣を着た私を眺めながら、嬉しそうに目を細めた。 ドレッサーの前で、少し伸びた髪の毛を、器用に結い上げ、薄化粧をしてくれた。初めてのお化粧。先生が見たら驚くかな? 私はワクワクしながら、先生の帰りを待つ。 ――六時半過ぎに帰宅した先生は、浴衣姿の私を見て、口をポカンと開け、暫く私に見とれていた。 「…彩、めっちゃ可愛い」 「バカタレ!何デレ~としてんだよ!」 先生はお母さんに、頭を平手打ちされ、悲鳴を上げる。
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