きす、キス、KISS

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「ごめんってば。奥さん機嫌直して」 先生は私を背後から包み込むように抱き締め、頬にチュッと優しいキスを落とした。 ――ガタガタッ… リスニング教室のドアが、ガタガタと音を鳴らした。明らかに誰かが、ドアを開けようとしている。 「…ゲッ」 「輝…ヤバいよぉ…」 ドアの外から鍵を差し込む音がし、カチャッと鍵は外れた。 「彩、机の下に隠れろ」 輝と抱きあっていた私は、慌てて机の下に潜り込む。先生は私を隠すように、机に抱きつく。 明らかに、先生の体勢は不自然だ。
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