きす、キス、KISS

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勢いよく開いたドアは、すぐに閉まった。ドスンドスンと地響きするような靴音が響き、段々教壇に近付いて来る。 私の心臓は、すでに爆発寸前だ。思わずギュッと瞼を閉じた。 男性の怒鳴り声が、静かな教室に響く。 「…ったく!彩ちゃん、それで隠れたつもりかね?頭隠して尻隠さず。机からスカートが見えてるぞ」 「へっ…お父さん?」 私は机の下から、亀みたいにヒョコッと顔を覗かせる。 見上げた先には、仁王立ちした校長先生と、バツが悪そうに眉をしかめた先生。
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