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松野は彩の小さな手を掴んで走り始めた。彩は松野に手を引っ張られ小走りに走る。
時折、俺の方を振り向きながら、彩は立ち止まることなく走った。
太陽の下で、潮風に髪を靡かせながら、手を繋いで走る松野と彩。
俺がずっと夢見ていたことを、松野のヤツは何の躊躇もなくサラリとやってのけた。
「…あや…ちゃん」
俺の悲痛な叫びが、波の音に掻き消される。
なんで…
一生に一度のハネムーンで、愛する奥さんを他の男に堂々と強奪されるわけ!?
松野ー!!
許さないぞ!
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