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「…輝、そんなに寂しいなら、母ちゃんと泳ぐかい?」
お袋が腹をプヨプヨさせて、俺に近付く。
「断るっ!」
「じゃあ、母ちゃん。俺達も泳ごう。せっかく沖縄に来たんだからな」
「そうだねぇ父ちゃん」
両親は腕を組み、海に向かって歩き始めた。ぶよぶよの体を密着させ、生徒の前でイチャイチャしている。熟年バカップルだ。
俺は白い砂浜に、ポツンと残された。目の前に広がるコバルトブルーの海。
ビーチパラソルの下で、俺はひたすら目で彩を追う。
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