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「…わたし」
ほら、謝る気になった。
「お父さんの家に行く」
「へっ?ま、待てよ」
俺は焦る。
よりによって、俺の実家はマズイだろ。
「もう…帰って来ないから」
彩は学校の鞄に教科書を入れ、キャリーバッグに学校の制服や洋服を、ギューギューに詰め込んだ。
やばい…本気だよな。
「彩ちゃ~ん。待てってば。冷静に、冷静に、話し合おうよ」
俺は必死で彩の機嫌をとるが、彩は無言でキャリーを掴む。
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