奥様の家出

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「関口、この間は悪かったな。あの時、マンションの住人がエレベーターに乗っていて、俺は咄嗟に関口の顔を隠した。変な噂が立つと、関口に迷惑が掛かると思ったんだ。関口は俺の大切な生徒だから。誤解を招く行動をとって、本当に申し訳なかった」 「はいはい、事情は聞いてます。先生と私は、ただの教師と生徒、それ以外何の感情もない…ですよね」 「そうだよ」 瞳が先生を見上げ、口を尖らせた。 「で、始業のチャイム鳴りましたけど、関口も星野も、廊下でペチャクチャ喋ってないで、さっさと教室に入れー!」 私と瞳は、先生に教科書で頭を叩かれ、教室に追いやられる。
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