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慌てて俺は部屋を飛び出す。エレベーターに飛び乗り、一階のエントランスに降りたが、エントランスから見える歩道には、彩の姿は何処にもなかった。
俺の奥さんが…
目の前から消えた…。
俺はガクンと項垂れたまま、誰もいない歩道を見つめた。
――あれから、一週間。
彩は俺達の愛の巣には帰って来ない。
毎日学校には登校して来るし、平気な顔で部活にも参加している。
しかも、俺を無視したまま、シラッとした顔で平然としている。
まるで、俺が一人で我慢大会をしている気分だ。
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