ヒミツの保健室

4/17
前へ
/17ページ
次へ
保健室に入ると、養護教諭の先生は不在で、俺は彩を保健室にある簡易ベッドに寝かせた。 開け放たれた窓からは、秋の爽やかな風が吹き込み、白いカーテンをゆらゆらと優しく揺らした。 俺は白いタオルを冷水に浸し、固く絞り彩の額にタオルを当てた。 ベッドの脇に腰を降ろすと、パイプベッドがギシギシと軋んだ。 「…あや」 彩の頬を撫でながら、彩の名前を呼ぶ。いくら名前を呼んでも反応はない。 「…彩、しっかりしろ。彩?」
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

122人が本棚に入れています
本棚に追加