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保健室に入ると、養護教諭の先生は不在で、俺は彩を保健室にある簡易ベッドに寝かせた。
開け放たれた窓からは、秋の爽やかな風が吹き込み、白いカーテンをゆらゆらと優しく揺らした。
俺は白いタオルを冷水に浸し、固く絞り彩の額にタオルを当てた。
ベッドの脇に腰を降ろすと、パイプベッドがギシギシと軋んだ。
「…あや」
彩の頬を撫でながら、彩の名前を呼ぶ。いくら名前を呼んでも反応はない。
「…彩、しっかりしろ。彩?」
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