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「はい、星野先生、何ですか?」
「お父さんから電話だぞ」
「お父さん?先生の携帯に?」
彩が怪訝そうな顔で、俺に近付いた。俺は携帯片手に彩を誘き寄せる。
「…なに?」
「ほら、携帯。何か喋れ」
「…もしもし?」
携帯は勿論、誰とも繋がっていない。彩は口を尖らせ俺を睨んだ。
「パパ、一体何の用なの?」
彩は携帯を耳に当てているが、俺に向け文句を言う。俺は腹話術のように、口をあまり動かさず、小声でボソボソと喋る。
「…男子と…引っ付き過ぎだよ」
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