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「わぁ~!凄い~!」
お母さんのお陰で、愛梨奈の気は逸れた。私と先生は顔を見合せ溜め息を吐く。
夕食のあと、お母さんが愛梨奈をお風呂に入れ、一階の和室で緊急家族会議を開いた。
お父さんが苦虫を噛み潰したような顔で、重い口をひらいた。
「卒業まであと一年だ。ここまで嘘を吐き通したんだ。今さら真実を公表出来ない。日本にいる間は誠達をパパママと呼ばせよう」
「そうね、彩ちゃん、そうしましょう。私も誠も子供がいないから、例え嘘でもパパママって呼ばれたら嬉しいよ。二歳児の記憶なんて、すぐに忘れちゃうわ。ロスに行って本当のことを教えればいいじゃない。呼び方はどうであれ、彩ちゃんが愛梨奈ちゃんのママであることには変わらないんだから」
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