壊れた嘘

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私が泣き出したことで、結論は出ないまま話し合いは中断した。 お風呂から上がった愛梨奈を抱き、私は二階の部屋に入る。 愛梨奈を寝かせつけ、可愛い寝顔を黙って見つめた。 暫くして先生が部屋に入って来た。先生は優しく私の頭をポンって触った。 「彩、おいで」 「…ぅん」 先生の広い胸に、ギュッて包まれる。 「彩はどうしたいの?」 「愛梨奈に、ママって呼んでもらいたい」 「学校へ行くよりも、高校を卒業することよりも、それが彩の一番望むことなのか?」
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