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山口に着くと、すでに夜九時を過ぎていた。
俺は駅から彩の実家に電話を掛ける。
「もしもし、お母さんですか?輝です。今駅に着きました」
『あら、輝さん。遅いわよ。もっと早く来なさい』
いきなりお母さんに叱られ、携帯を持ったまま頭を下げる。
「すみません。彩は…」
『山口市の華岡総合病院よ。院長は亡くなった主人の古くからの友人なの。事情は説明してあるから、マスコミ対策の為に入院していることも、極秘にしてもらってるから安心しなさい』
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