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「そんなの嫌!!」
フィーネは珍しくわがままを言った。
「ごめんなさい。」
フィーネはわがままを言ってしまったことに気づき、すぐに謝った。
「いや、無理もないさ。
そうだ、これを見てごらん。」
フィナーレは、そう言うとポケットからライターを取り出した。
ライターに火をともすと、フィナーレは手をかざして火を空中へ取り出した。
そう、フィナーレは火を操っている。
「マジックじゃないんですよね?
すごいです♪
それは、私にも出来ますか?」
「もちろん。」
フィーネもフィナーレのまねをしてみることにした。
フィナーレが宙に浮かせている火の玉に集中する。
火の玉はフィーネが考えていたよりも簡単に操ることが出来た。
フィーネの思うままに火の玉は動き、まるで生きているかのように見えた。
フィーネは思わず笑ってしまった。
「お兄様、火を操るって楽しいですね♪」
ところが、フィナーレはすごく驚いた顔をしていた。
「どうしてそんなに火を操れるんだ?
俺は1週間練習したけど、宙に浮かせるのが精一杯だったのに……」
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