旅立ち

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「えっ!!」 フィーネが驚いた瞬間、火の玉は消えてしまった。 「でも、集中力は無いみたいだな。」 そう言ってフィナーレはクスッと笑った。 「フィーネ、操れるのは火だけじゃない。 この世界の自然物全てだ。 他にも、風や水や土、その気になれば動物たちに命令も出来るらしい。 詳しいことは、きっとイニーツィオが教えてくれるはずだ。 イニーツィオは俺たちに仕事を手伝って欲しいんだから、能力の使い方とかも教えてくれるだろう。 もしかすると、もっといろいろな能力があるかもしれない。 そう考えると、ここよりも楽しい事が待っているかも知れないだろ? 俺だってここが好きだけど、これは決して避けられない運命なんだ。 受け入れるしかないと思う。」 フィーネも兄の話を聞いているうちに、イニーツィオの所へ行くのが1番正しい選択だと思うようになった。 イニーツィオの所へ行けば、この世の誰もが体験することの無い未来が待っているだろう。 ただし、その未来が明るい未来なのか暗い未来なのかは分からないが……
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