旅立ち

16/16

5人が本棚に入れています
本棚に追加
/85ページ
父はキッチンからいつもと変わらない朝食を持ってきた。 トーストの上に、レタスとベーコンと目玉焼きがのせてある。 フィーネとフィナーレはなんとなく暗い感じで終わりたくなかったので、昨日の話をおもしろおかしく父に話してあげた。 やがて、楽しい時はあっという間に過ぎ去り、父との別れの時が来た。 2人は、旅行バックを持ち、父と一緒に家を出た。 「次に会えるのはいつか分からない。 もしかしたら、もう君たち2人とは会えなくなるかもしれない。 辛いことだが、ずっと前から分かっていたことだ。 元気で…………………… そして、彼女によろしく伝えてくれ。」 父はフィーネとフィナーレを抱きしめた。 「本当に元気でな。」 「お父様もどうかお元気で。」 「俺たちのことは心配しなくても大丈夫だ。 時々、手紙でも書くよ。」 「ありがとう。」 こうして、最後の別れの時間は過ぎていった。 そして、フィーネとフィナーレが父に会うことは二度と無かった。
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加