神殿

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「ところでお兄様、どこへ向かっているんですか?」 父との別れから2時間後、2人はパークの馬小屋からそれぞれの愛馬を連れ出し、馬に乗って長い道を歩いていた。 フィーネが乗っている馬はフィーネの髪の色と同じ純白のメス馬、フィナーレが乗っている馬はフィナーレの髪の色と同じ漆黒のオス馬だ。 「昨日の夢で、イニーツィオが教えてくれた場所に向かっている。 約束では、今日の夜にその場所で会うことになっている。」 「その場所ってどこですか?」 「分からない。 けど、この道をまっすぐ行けばいいって言ってたんだ。 そのうち、使者が現れるんだとよ。 昼になってもその使者が現れなかったら、今度は馬を走らせよう。 走れるよな? ブラック。」 前を行くフィナーレが馬の首をポンポンとたたきながら言う。 (もちろんだ。 ホワイトも走れるだろう。) 馬はそれぞれ毛色と同じ名前がついている。 「ホワイト、もし疲れたら言って下さいね。」 (私だって立派な大人の馬です。 女の子だからってブラックには負けてません。) ところが、走る必要は無かった。 太陽がそろそろ真上に来ると思った頃、前方に2頭のオオカミが犬のようにちょこんと座っているのが見えた。 近づくにつれ、2頭のオオカミがとても大きい事が分かった。 少なくとも虎やライオン以上に大きいだろう。 そして、2頭とも毛並みがとてもいい。 1頭は純白、もう1頭は漆黒。 そう、フィーネとフィナーレの髪の色だ。
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