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イニーツィオの神殿の中はまるで西洋の城のようだった。
真っ赤なカーペットが入り口から奥まで続いている。
2人はカーペットの上を歩いて奥まで進んで行った。
神殿は横に大きいので、奥に進むなら、そんなに遠くはないはずだ。
それでも、2人が入り口から歩いて1番奥の部屋まで行くのに20分かかった。
「この部屋を開ければイニーツィオがいるんだな。」
「そのはずですね。」
フィナーレが扉に手をかけようとした瞬間、扉が勝手に開き始めた。
「どうぞお入りなさい、フィーネ、フィナーレ。」
部屋の中から声が聞こえてきた。
2人は支持に従い、ゆっくりと部屋の中に入って行った。
部屋の中は小さな自然で溢れていた。
泉があり、木があり、小鳥がさえずる。
イニーツィオは泉の中心にいた。
白い衣を着て、肩まで水に浸かっている。
髪の色はフィーネと同じ純白で、瞳の色は2人と同じ銀色。
フィーネと同じくらい長い髪は水で濡れている。
イニーツィオは、まるでフィーネが大人になった姿だった。
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