神殿

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「フィナーレ、それはわたくしの能力ではなく、神としての能力です。 例えば、傷の治りはフィーネよりも速いはずですよ。 それから、変身術も。」 「変身術?」 「変身術というのは、神々が自らの姿を変える術です。 ただし、人間の姿限定ですけれどね。 フィナーレなら、誰かになりすます事も可能なはずです。 わたくしとフィーネは、姿を変えられても、誰かになりすますほど上手ではありません。 ですがフィナーレ、1つ言っておきますよ。 いくら変身術が上手になろうと、わたくしとフィーネにはあなたが分かりますからね。」 「分かりました。ありがとうございます。」 フィナーレは嬉しかった。 たったこれだけだが、フィーネに勝てる能力がある。 フィナーレはこの能力を極めようと思った。 「変身といえば、自然の女神だけが持つ能力もありますよ。 ただし、少し高度な能力ですから、まだ使えないかもしれません。 生物に変身することです。 人間に近ければ近いほど簡単に変身出来ます。 それと、かなり高度な変身としては自然物に変身するという事も可能です。 風、火、水、土などですね。 ですが、命の無い物に命のある者が変身するのですから、わたくしでも難しい変身です。 さて、そろそろ本題に戻りましょう。」 イニーツィオはニコッと笑って言った。
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