神殿

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イニーツィオはフィナーレの方を見て言った。 「フィナーレ、あなたはネロとブラックと共に神殿の西側に行きなさい。 1番奥の部屋があなたの部屋になります。 その部屋に、これからの1ヶ月間の修行について書かれた紙があります。 修行は明日からですから、今日は休むといいでしょう。」 続いて、イニーツィオはフィーネの方を見た。 「フィーネ、あなたはビアンカとホワイトと共に神殿の東側に行きなさい。 後の事は、先ほどフィナーレに言った事と同じです。 それでは、わたくしは仕事に戻りますから、1ヶ月後、この場所で会いましょう。」 そう言い残すと、イニーツィオは風となって消えてしまった。 「かなり高度な変身じゃなかったのかよ……」 フィナーレは、そうつぶやいた。 「さすが女神ですね。 立ち去り方がとってもかっこいいです♪ かなり高度な変身って言っておいて、それを簡単にやってしまうなんて!」 「まぁ、俺たちにとってのかなり高度は、女神にとっては造作もない事なんだろうな……」 「お兄様。」 フィーネがフィナーレをじっと見て言う。 その目は今までになくやる気に満ちていた。 「私は1ヶ月後に、きっとお母様のようになって見せます!」
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