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修行1日目の早朝、フィナーレは悩んでいた。
「イニーツィオの命令だからって実の妹を殺してもいいものか……
いや、実際には死なないけど……
やっぱりそういう問題じゃなくて……」
こんな感じでブツブツ言いながらかれこれ2時間は部屋をうろちょろしている。
(フィナーレ様、俺が言うのもどうかと思うが、そろそろ覚悟を決めていただきたい。
どうしても決められないのなら、フィーネ様から襲って来るのを待つしかあるまいな。)
ネロがあきれた感じで言った。
「フィーネだって、俺を殺すなんてこと出来ないに決まってる。」
一方、フィーネはというと……
「さて、お兄様が攻撃して来る前にこちらから奇襲作戦です♪」
何の迷いもなく兄を殺そうとしていた。
昨日の夜、フィーネはさっそくビアンカと共に剣の練習をしていた。
実は、ビアンカとネロはただのオオカミではない。
イニーツィオが生み出した翼狼というモンスターで、普段は翼を隠しているため巨大なオオカミの姿をしているが、本来は翼の生えたオオカミの姿をしている。
フィーネとビアンカはフィーネの部屋の隣にある修行の間と呼ばれる部屋で1時間ほどぶっ続けで戦っていた。
「ホワイト、私をお兄様の部屋まで運んで下さい。
今度は全速力で!!」
(分かりました!)
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