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今日こそフィーネに勝てる。
フィナーレは心の中でそう確信した。
明らかに今までとは戦った感触が違う。
そして次の瞬間、フィーネが背中から倒れてしまった。
フィナーレはそのままとどめを刺そうと望月を振り上げた。
今度こそフィナーレがフィーネに勝つかと思われたその時!
しゅん……
なぜか、フィーネは変身術を解いた。
そして愛くるしい表情で、か弱き乙女のようなしぐさでこう言った。
「お兄様……
私を、殺すのですか?」
「なっ……」
フィナーレがとどめを刺すのにためらったその一瞬をつき、フィーネはフィナーレの心臓に十六夜を突き刺した。
「お前……」
「油断したお兄様が悪いんですよ♪」
その表情は、決してか弱き乙女などでは無かった。
薄れゆく意識の中でフィナーレは妹の恐ろしさを改めて痛感した。
あの頃の、まだ能力が覚醒していない頃の可愛い妹はどこへ行ったんだろうか……
でも、俺より強いフィーネも可愛いなぁ……
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