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フィナーレはイニーツィオから黒い袴を受け取った。
持った瞬間、普通の袴ではないと分かった。
軽すぎる。
確かに、これなら戦いの時に役に立ちそうだ。
「あなた達にやって欲しい任務は次の通りです。」
イニーツィオが話し始めた。
「中国にある核開発研究所を全て破壊して欲しいのです。
証拠を残さず、跡形もなく。
中にいる従業員は殺しても構いません。」
イニーツィオから発せられた言葉は衝撃的なものだった。
やっぱり、普通の仕事ではないとは思ってたが……
核開発研究所の破壊……
殺しても構わないか……
なんか狂いそうだ……
フィナーレが渋い顔をしているのに対し、フィーネはやる気満々だった。
「お母様!
是非その任務を遂行させて下さい♪」
その目は何故か輝いている。
「おい、フィーネ。
意味分かってんのか?!」
フィナーレが思わずフィーネに突っ込みを入れる。
「もちろんですよ♪
だって、楽しそうじゃないですか♪♪」
あれ、絶対に♪の数がおかしいだろ……
「頼もしいですね。
では、地図だけ渡しておきましょうか。」
そう言って、イニーツィオはフィーネに地図を渡した。
「そうでした、一つだけ言っておくことがあります。
あなた達は半神です。
しかも、神の血を濃く受け継いでいます。
神の血が人間の血よりも多くなった時、あることが起きるでしょう。
それは神の力をより強力にしてくれますが、一番最初だけはこの世のものとは思えない程の痛みを伴うでしょう。
しかし、いずれはそうなる運命なのです。
神の能力を使えば使うほど、あなた達は神に近づいて行くのですから。
では、任務が終わったらまた会いましょう♪」
イニーツィオはそう言い残すと、来た時と同じく風になってフィーネとフィナーレの前から去って行ってしまった。
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