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「あれが、例の核開発研究所だな。」
フィナーレは声を潜めてフィーネに言った。
あれから1週間、2人は飛行機などの機械の乗り物は一切使わず、ここまでやってきた。
とは言っても、ブラックとホワイトではない。
あの2頭はイニーツィオの神殿で別れてきた。
理由は、ブラックとホワイトはもともとただの馬であって、フィーネとフィナーレを無事にイニーツィオの神殿まで届けるという任務を受け持っていただけだからだ。
任務を終えた今、2頭はフィーネとフィナーレについてくる必要はない。
ブラックとホワイトは是非ついて行きたいと言っていたが、イニーツィオに止められてしまった。
「ここから先は危険過ぎます。
あなた達は野にお帰りなさい。」
それにより、ブラックとホワイトは渋々フィーネとフィナーレに別れを告げることになった。
ではどうやって中国までやってきたかと言うと、それはビアンカとネロに乗って来たのだ。
前にも説明したが、ビアンカとネロはただの大きなオオカミではない。
翼狼というモンスターで、翼の生えたオオカミだ。
普段は翼をしまっているため、ただのオオカミと大きさ以外たいして変わらないが……
とにかく、フィーネとフィナーレはビアンカとネロに乗って来た。
「じゃあ、作戦通り行くぞ?
俺は西側から、お前は東側から侵入して、装置を見つけ次第壊す。
その間に従業員に会ったら迷わず殺せ。」
ああ、自分で言っておいてなんて残酷な事を……
フィナーレはすぐに頭を振って気を取り戻した。
「分かりました♪」
フィーネは案の定楽しそうに返事をする。
「ビアンカとネロはここで待機していてくれ。
何かあったら呼ぶ。」
((了解した。))
相変わらずの息の合った返事。
「よし、任務開始だ。」
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