5人が本棚に入れています
本棚に追加
/85ページ
フィーネは背中をかいた。
孫の手が欲しいですね♪
今朝からずっと背中がかゆいのだ。
あの後、フィーネは素早く研究所の東側に回り込み、様子を伺っていた。
監視カメラが大量に設置してある。
見張りは2人。
どちらも若い男で、腰には銃を所持している。
警備員程度だろう。
他は特に目立った装備はしていない。
「正面突破よりは、見つからないようにしたいですね♪
戦ってもつまらなそうですし、後々めんどくさそうですから♪」
基本的に、フィーネの基準は自分にとって楽しいかどうか。
それと、めんどくさいことは嫌いだ。
「では、こうしましょうか♪」
フィーネはそう呟くと、ニコッと笑った。
今のフィーネが使える能力で最大のもの。
それは動物に変身すること。
修行中、自然物を操る能力は完璧に使いこなせるようになっていた。
そこで、フィーネが次に練習していたのが、動物に変身することだった。
体の一部を変身させる事は容易にできたのだが、なかなか完璧に変身することはできず、修行が終わる日まで完成することはなかった。
それを、この1週間でようやく使いこなせるようになったのだ。
フィーネはさっそく、今一番気に入っている動物に変身することにした。
鋭いくちばしと鉤爪を持ち、空を優雅に羽ばたく動物。
そう、フィーネが変身したのは鷹だった。
それも、シロオオタカという白い鷹だ。
ただし、フィーネが変身すると純白のシロオオタカとなる。
「これなら侵入は簡単です♪」
最初のコメントを投稿しよう!