離別

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フィーネは背中をかいた。 孫の手が欲しいですね♪ 今朝からずっと背中がかゆいのだ。 あの後、フィーネは素早く研究所の東側に回り込み、様子を伺っていた。 監視カメラが大量に設置してある。 見張りは2人。 どちらも若い男で、腰には銃を所持している。 警備員程度だろう。 他は特に目立った装備はしていない。 「正面突破よりは、見つからないようにしたいですね♪ 戦ってもつまらなそうですし、後々めんどくさそうですから♪」 基本的に、フィーネの基準は自分にとって楽しいかどうか。 それと、めんどくさいことは嫌いだ。 「では、こうしましょうか♪」 フィーネはそう呟くと、ニコッと笑った。 今のフィーネが使える能力で最大のもの。 それは動物に変身すること。 修行中、自然物を操る能力は完璧に使いこなせるようになっていた。 そこで、フィーネが次に練習していたのが、動物に変身することだった。 体の一部を変身させる事は容易にできたのだが、なかなか完璧に変身することはできず、修行が終わる日まで完成することはなかった。 それを、この1週間でようやく使いこなせるようになったのだ。 フィーネはさっそく、今一番気に入っている動物に変身することにした。 鋭いくちばしと鉤爪を持ち、空を優雅に羽ばたく動物。 そう、フィーネが変身したのは鷹だった。 それも、シロオオタカという白い鷹だ。 ただし、フィーネが変身すると純白のシロオオタカとなる。 「これなら侵入は簡単です♪」
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