離別

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兄弟? 一体どういうことだ? 俺には妹のフィーネしかいないはず。 フィナーレの疑問に答えるかのように、目の前の男は言った。 「君の兄弟と言っても、私は半神ではなく神なのだよ、フィナーレ。 自然の女神イニーツィオは3人の神の母でもある。 私はその中の1人、海神(かいじん)なのだよ。 自然に関連する神の血筋を辿って行くと、必ずイニーツィオに行き着く。 イニーツィオが神々の頂点に立つ理由はここからきているのだ。 神々の母なる存在。 それが自然の女神イニーツィオだ。」 「海神……」 フィナーレは驚きを隠せなかった。 母、イニーツィオ以外に神を見たことはなかった。 神というものはこんなに人間らしいものなのか。 正直、今までの話だって怪しい。 この男が本当に神という証拠は無い。 「あなたが海神だと言う証拠はあるんですか?」 「もちろんあるとも。 すぐそこに海があるだろう? そこで見せてやろう。」 どうする? 今はイニーツィオの任務中だ。 だが、この男の正体を確かめないわけにはいかない。 俺の正体を知っている以上、敵か味方かはっきりさせなければ。 もし敵なら始末するまでだ。 「いいだろう。 海神の能力を見せてもらおうか。」
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