離別

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純白のゆるふわロングヘアーに巫女服。 ちょっと幼さの残るフィーネ本来の姿。 その美しい姿に魅了されない男はいないだろう。 フィーネの手に十六夜が現れる。 そして、何回か準備運動代わりに華麗に振り回すと、ニコッと笑って軽々とドアを切り壊してしまった。 ガシャンッ!! その大きな音に、中にいた男6人が一斉にフィーネを見た。 「貴様! 何者だ!!」 ザシュッ!! 1番最初に口を開いた男をためらいも無く切り捨てる。 返り血が巫女服の上半身を真紅に染める。 下半身は元々赤いので、あまり目立たない。 それを見た残りの5人の顔がみるみると青く染まっていく。 「何が目的だ……」 次に口を開いた男はこっそりと手を胸ポケットに忍ばせる。 ところが…… 「そうはさせませんよ♪」 次の瞬間、男の首にフィーネの剣が突き付けられる。 男の唾を飲む音がはっきりと聞き取れた。 それと同時に男の手から銃が落ちる。 「ほら、他の皆さんも武器は下ろしてくださいね♪ 言う通りにしないと、どうなるかくらい分かりますよね?」 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 1人の男が情けなく叫び、出口に向かって走り出した。 ところが…… バァンッ!!男はいきなり破裂してしまった。 肉片がパラパラと落ちていく。 「貴様……何をした?」 フィーネの手の中にいる男が尋ねる。 「ちょっとあの人の周りから空気を消しただけですよ♪ 人は空気を奪われただけで簡単に死ねるんです♪」 「何を言って……」 「そう言えば自己紹介が遅れましたね♪ 始めまして♪ 私の名はフィーネ♪ 自然の女神イニーツィオの娘です♪ あなた方と会うのはこれが最初で最後になります♪」
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