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フィーネの魔法による炎はあっという間に施設を飲み込んでいった。
不思議な事に、フィーネの炎は簡単には燃やすことの出来ない物まであっという間に燃やす事が出来る。
施設のあらゆる物が燃えて跡形もなく灰になっていく。
炎に飲み込まれた施設の中、フィーネはビアンカと同じ純白のオオカミに変身した。
オオカミに変身した後、フィーネは施設の炎を一瞬で飲み込んでしまうほどの水をすぐ近くの海から操った。
水が持ち上げられ、勢いよく施設を飲み込む。
水魔法はフィーネが最も得意とする魔法の一つだ。
基本的に魔法はフィーネの得意分野なのだが、特に風魔法、火魔法、水魔法の3つは桁外れの魔力を持っている。
施設だった場所は、もはやそれがあったのかさえ怪しい程にびしょ濡れになり、灰以外何もない。
数十分前まで生きた人が歩き回り、仕事をしていたとは到底思えない。
死体は全て粉々の灰になってしまっている。
フィーネはくるりと周りを見渡し、証拠になりそうな物は残っていないか確認した。
証拠になりそうな物が無いと確認すると、フィーネはビアンカとネロの元へ走って行った。
ビアンカとネロに合流すると、オオカミの姿のままフィーネが尋ねた。
(お兄様は戻っていないんですか?)
((フィナーレ様はまだ戻っていない。))
そして、ネロが言った。
(俺がフィナーレ様の元へ行こう。
俺の主人だ。)
そう言うと、ネロは海辺に向かって走り出した。
フィーネとビアンカ、フィナーレとネロ。
この二組が次に出会う時は……
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