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背中のかゆみがひどくなってきている。
かゆみと言うよりも、痛みの方が強くなってきている。
魔法の使い過ぎでしょうか?
今日一日で大量の魔力を消費している。
フィーネは魔力を節約しようと、オオカミから人の姿へと変えた。
ただし、本来の純白のゆるふわロングヘアーのフィーネではなく、緑髪のゆるふわショートヘアー方のフィーネだ。
こっちの方がオオカミよりも負担が少ないし、戦闘能力も高い。
だが、背中の痛みは治まらない。
フィーネはビアンカに迷惑をかけないように背中の痛みの事は言わずに先を急いだ。
次の施設はさほど遠くもなく、1時間程で着いた。
お母様の話だと、この施設の地上は核開発研究所で、地下では極秘の人体実験が行われているらしい。
「お兄様は追いつくでしょうか?
今回は私達だけになってしまいましたね♪」
(前回の任務はフィーネ様だけでこなしたと言っていい。
フィナーレ様には悪いが、今回もフィーネ様だけで十分。)
「褒めてくれて嬉しいです♪
けど、お兄様がちょっとかわいそうですね。」
そういってクスッと笑う。
(では、30分ほど偵察に行く。
フィーネ様は見つからないように。)
「了解です♪」
ビアンカの姿が見えなくなってすぐ、フィーネは急にその場に倒れ込んでしまった。
我慢していた背中の痛みに耐えられなくなってしまったのだ。
ビアンカが戻って来る前に何とかしないと……
思いとは裏腹に、次の瞬間背中から何かが突き破ろうとしている鋭い痛みがフィーネを襲った。
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