旅立ち

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フィーネは気のせいだと思い、子馬にミルクの残りを与えた。 (フィーネ様! 僕ですよ僕!!) その瞬間、フィーネはミルクの入ったビンを落としてしまった。 誰もいないはずなのに、今度ははっきりと声が聞こえた。 「誰ですか! 隠れてないで出て来てください!!」 (あーあ、せっかくの美味しいミルクが勿体無いですよ、フィーネ様。 僕、まだ飲みたかったなぁ~。) フィーネは信じられなかった。 目の前の子馬がこっちを見て話している。 いや、正しく言えばフィーネの心にテレパシーしている。 「まさか……ありえない……。 本当にあなたが話しているんですか?」 (他に誰がいるって言うんですか? 僕以外はまだ赤ちゃんで話せませんよ。 よかったぁ、フィーネ様が僕の言葉を理解出来るようになって。 言いたいことが沢山あるんです。 えっと……) 「ちょっと待って下さい!!」 フィーネは子馬の話が長くなる前に止めた。
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