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目を覚ました時、フィーネの手足は完全に拘束されていた。
「!!!!!!!!」
私としたことが!!
そして、背中に違和感。
振り向くと、そこには大きな純白の翼があった。
意識を失う前の記憶が徐々に戻る。
「おはよう。」
突然、扉から入って来たのは25歳くらいの男だった。
白衣を来ていて、まるで科学者のような感じだ。
この状況はまずい……
「気分はどう?
びっくりしたよ、穴掘ってたら仲間が君を見つけたんだ。
俺が真っ先に駆けつけて見たら、まだ息があったから、リアカーに乗せてここに運んだんだよ。」
状況から察するに、きっとここはあの施設の地下だろう。
助けてくれたお礼を言うべきでしょうか?
いいえ、この施設はどの道私が破壊するんだから、その必要はありませんね♪
さて、これからどうしましょうか♪
「君、言葉分かる?」
返事をしないフィーネを見て、男が言った。
「言葉は分かりますよ♪
それより、拘束を解いてくれませんか?」
「それは出来ないよ。
貴重な実験体だからね。」
「そうですか。
なら、自分で外しますね♪」
男は少し驚いた様子だったが、言った。
「それはそう簡単には外せないよ?
どうやって外すつもりかな?」
「どんな金属でも、元々は土の中にあったものです♪
土魔法はあまり得意ではありませんが、この程度なら操ることは造作もありませんよ♪」
そう言った次の瞬間にはフィーネの拘束具は全て外れていた。
そして、ひょいっと起き上がり、ベットから降りる。
拭いてくれたのか、翼には血は一滴もついておらず、美しい純白の翼だった。
男は驚きのあまり声も出ていない。
「助けてくれたお礼に死に方だけは選ばせてあげますね♪
どのような死に方がお好みですか♪」
フィーネはとっても楽しそうに言った。
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