邂逅

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「俺はまだ死にたく無いなぁ。」 そう言って男は銃を取り出す。 「ほら、おとなしくベットに戻りなよ。 今なら許してあげるからさ。」 前回の施設と違ってこの人は比較的余裕みたいですね♪ 「勇気のある人間ですね♪ 嫌いじゃありませんよ♪ でも、立場が分かってませんね♪」 「立場が分かってないのは君の方だよ。」 男がそう言った次の瞬間フィーネは男の背後に瞬間移動し、十六夜を喉元に突きつけた。 あれ、いつもよりも動きが早いような…… 十六夜を出すのも楽でしたし…… 「今なんて言いましたか? 立場が分かっていないのはあなたの方ですよ♪ せっかく死に方を選ばせてあげたのに、勿体無いですね♪」 次の瞬間、フィーネの純白の翼は返り血で染まっていった。 「さて、予定通りとは行きませんでしたが、任務開始です♪」 フィーネは軽やかな足取りでドアを開け、廊下に出た。 ところが…… 「あれ…… どうして、こんなに人が倒れているんでしょうか……」 そこにはフィーネが予想していなかった光景があった。 白衣を着た施設の人々が廊下に大勢倒れている。 しかも、見た限り誰1人として死んではおらず、つい先ほど何者かによって気絶させられたように見える。 さすがのフィーネも気絶している人にトドメを刺す趣味は無い。 「せっかく私の純白の髪と翼が綺麗な真紅に染まると思ったのに、残念ですね……」 それにしても、一体誰がこんなことをしたんでしょうか? ビアンカなら、歯型とか爪痕があるはずですし…… そんなことを考え、フィーネは十六夜をくるくる回しながら廊下を歩いて行った。
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