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フィーネは炎を呼び出し、そして炎は施設をあっという間に飲み込んでしまった。
すぐに中から悲鳴が聞こえてくる。
「さあ、この私に恐怖しなさい♪」
意地悪なことに、フィーネはわざと一ヶ所だけ出口を用意した。
そう、出てきた獲物でフィーネが遊ぶためだ。
フィーネの手には十六夜が握られ、いつ獲物が出てきてもいい状態になっている。
炎に焼かれ死にますか♪
それとも、炎から逃れて私と遊んで死にますか♪
「さあ、優しい優しいフィーネ様が死に方を選ばせてあげましょう♪」
その時、背後から聞き慣れた声がした。
(フィーネ様、無事だったか。)
振り向くと、ビアンカが立っていた。
(今までどこにいた?
連絡が取れないから心配した。)
「ビアンカ♪
心配かけましたね♪
今からお楽しみの始まりですよ♪」
(フィーネ様、お遊びもほどほどに。)
そうこうしているうちに、最初の獲物が出口から出てきた。
ところが……
「フィーネ様~!!」
なんと、出てきたのはあのリヤンだった。
「そう言えば、間違いなく炎から逃れてくる子を忘れてました♪
あなたなら、あの程度の炎はどうって事ないですよねリヤン♪
どうやら、施設からは生命反応が無いようですね。
あの炎の中、生き残れたのはあなただけのようですよ♪
ご褒美として、私が遊んで差し上げましょう♪」
フィーネは片手剣の十六夜をくるっと回してから、一気にリヤンに詰め寄った。
「安心して下さい♪
今すぐには殺しませんから♪」
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