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夕食の時、フィーネはずっと黙って考えていた。
父と兄の食事の音が聞こえる。
2人は今日生まれたペンギンの赤ちゃんの話をして盛り上がっている。
「ごちそうさまでした。」
フィーネは食事が進まなかったので、食事の席を離れて自分の部屋へと向かった。
私が自然の女神イニーツィオの娘?
そんなこと……
でも、今日の出来事は普通の人じゃあり得ない。
じゃあ、私はやっぱり神と人間のハーフ?
半神?
ずっと知りたかった母の事が分かったのは嬉しい。
けれど、まさか母は女神だったなんて!!
でも、これで父が母の事を言わなかった理由がようやく分かった。
母は自然の女神イニーツィオだなんて言われて信じるわけが無い。
「フィーネ、俺だ。
大事な話があるから部屋に入れてくれないか?」
突然、兄の声がした。
もちろん、断る理由なんて無いのですぐにドアを開けた。
「お兄様、話って何ですか?」
兄の名前はフィナーレ。
私はいつもお兄様と呼んでいる。
フィナーレはフィーネの部屋の勉強机の椅子を出して座った。
そして、真面目な顔で話を切り出した。
「フィーネ、今日お前が担当している子馬と会話しただろ。」
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