海洋

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さて、水中で戦うなら、一度試してみたかった事があったんですよね♪ フィーネは次の瞬間、美しいマーメイドの姿になった。 先程までと同じ緑のゆるふわショートヘアーに緑の瞳。 尻尾もそれに合わせて緑色になっている。 手には十六夜を持っている。 「おや、なかなかやるではないか。 だが、その魔法は魔力を相当消費するのではないかね?」 「私は魔力の消費なんて気にした事ありません♪ 私が魔力を全て消費する前にフィーネ(終わり)ですから♪」 「生意気な小娘だ。」 海神のその言葉の次の瞬間、フィーネは十六夜を構え、猛スピードで突撃した。 「甘いな。」 海神の手に水色の剣が現れ、フィーネの剣を受け止める。 「ほう、悪くはない。」 海神はそのままフィーネの剣を力任せにはじき返した。 フィーネの剣術は力ではなく技術に頼っている為、刃を交えると力の勝負になり不利になる。 フィーネは流れるように力を受け流し、すぐさま次の攻撃へと移った。 しかし、次の瞬間水の渦がフィーネを襲い、フィーネの攻撃は届かなかった。 「私のウォータートルネードは威力があるだろう?」 海神が余裕の表情でそう言う。 フィーネが水を操ろうとしてもびくともしない。 言う事を聞かない…… やっぱり強いほうに従うよね…… どうする? こうしている間にも、次々とウォータートルネードはフィーネを狙ってくる。 幸い、威力はあるものの、速さはフィーネのほうが早く、2回目以降は避け続けている。 「技術と素早さに特化しているのだね。 ますます君を味方につけたくなったよ。」 「あら、残念ですね♪ 私は仲間になる気なんてありませんから♪」 水がダメなら、水中に空気を作ればいい。 フィーネは海上の空気に集中した。
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