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水圧に押されながらも、フィーネは空気を無理やり海中へと押し込んだ。
同時に、マーメイドから人間の姿へと変わる。
緑のゆるふわショートヘアーに緑の瞳。
緑のフィーネだ。
フィーネの周りが空気で満たされる。
しかしその瞬間、フィーネの体が一瞬ふらつく。
あれ……
初めての感覚にフィーネは違和感を覚えたが無視する。
「海神さん、私と遊びましょう♪」
フィーネは周りの空気を風の渦にし、その風と共に海神に向かって突っ込んでいく。
「おや、スピードが上がったようだ。」
海神がそう言い終えるや否や、フィーネはものすごいスピードで海神を斬りつけていく。
その一つ一つの斬撃は海神の体をを少しずつ傷つける。
「手を抜いている場合ではないな。」
海神がそう言うと、急に水圧が増した。
気圧と水圧の勝負……
「魔法の勝負なら上等です♪」
フィーネはそう言うと、ありったけの魔力を込めて風を操った。
ところが……
全身から力が抜けていく感覚。
何かがプツンと切れた音がした気がした。
風は力を失い、フィーネは1人海の中へと呑まれてゆく。
意識は遠くなり、次の瞬間、フィーネは完全に意識を失ってしまった。
意識を失う刹那、フィーネは海神のあざ笑うような笑みを見た。
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