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リヤンがフィーネに追いついた時、フィーネの体はビアンカの背にあった。
目の前には知らないおじさんがいる。
「おじさん誰なのぉ?」
のんきな質問に海神は面白そうに言った。
「君は誰かね?
フィーネに知り合いがいたとは驚きだ。
フィーネは今、魔力が切れて気絶しているのだよ。
助けたければ魔力のあるものからキスをしてもらい魔力を補給するのだな。」
海神はそれだけ言い残すと、海の中に静かに消えていった。
「えっと、確かビアンカだっけぇ?
フィーネ様に何があったの!」
立ち泳ぎをしながらビアンカに問い詰める。
しかし、例えビアンカが答えたとしてもリヤンにビアンカの言葉が分かるはずが無い。
ビアンカは仕方なくリヤンを大きな口でくわえた。
「ちょっと離してぇ!
運んでくれるなら背中に乗せてよぉ~!」
喚きながらもおとなしく運ばれて行く。
少しして小さな島が見えた。
ビアンカはひとまずその島でフィーネの回復を図る事にし、島に着くなりビアンカはリヤンとフィーネを降ろした。
そして、フィーネにキスをする。
ビアンカはモンスターであるが故に魔法動物だ。
つまり、ビアンカからも魔力の補給が出来る。
そして、フィーネの特殊なところは魔力回復の早さだ。
フィーネは魔力が少ないが、回復はとても早い。
逆に、フィナーレは魔力が多いが、回復が遅い。
ただし、今回のように魔力切れを起こしてしまうと1週間程は寝ている事になる。
魔力が無い状態で他者の魔力を補給すると、それに適応するためにどうしても時間がかかってしまう。
ただ、デメリットばかりではなく魔力が無い状態で他者の魔力を補給する事にはメリットもある。
魔力の強化。
他者から得た魔力に適応すると以前よりも魔力が強化される。
ただし、魔力切れ自体がリスクを負うのでわざわざやる者はいない。
魔力切れの間はただの人間同然であり、不老不死ではなくなる。
よって、特に神々の魔力切れは命取りとなる。
ここまで説明すれば分かるだろうか、ビアンカがリヤンを連れてきた訳を。
フィーネが目を覚ますまで無防備なフィーネの護衛をさせようとしているのだ。
フィーネの事をあれだけストーカーするくらいだ。
それに、リヤンの戦闘能力なら申し分無い。
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