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「じゃあ、さっそくフィーネ様に持って行くねー♪」
っと、リヤンが何のためらいもなく魚の形をした炭をもっていこうとしたので、ビアンカはその手にガブリと噛み付いた。
もちろん、思いっきり。
「いったーい!!
思いっきり噛んだでしょ~!
何すんのよぉ~!」
(何するのはこちらのセリフだ。)
だが、リヤンにはビアンカの言葉など分からない。
「あ、分かった!
ビアンカも食べたいんだね!!
心配しなくても、ちゃんとすり潰しておいたのをそっちの方に置いておいたから~♪」
リヤンの指差す先には『ビアンカのエサ』と砂に書いてあった。
そばに、こんもりと炭の塊が置いてある。
(って、私はペットか!)
らしくないツッコミを立て続けにさせられた。
こいつは天然なのか。
それともわざとやっているのか?
(リヤン、寝ている間のフィーネ様の食事は不要だ。
私が魔力を供給すれば問題ない。
と言っても、私の言葉は分からないだろうがな。)
ふと、先ほどのリヤンが砂に書いた文字を思い出す。
ビアンカは爪を使って砂に文字を書いた。
『リヤン、寝ている間のフィーネ様の食事は不要だ。
私が魔力を供給すれば問題ない。
それと、私はペットではない。
獲物は自分で狩ってくる。』
「ビアンカって文字書けたんですね!
わっかりましたぁ♪
じゃあ、私1人でいただきまーす♪」
次の瞬間、リヤンが自らの料理の才能に絶望したのは言うまでもない。
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