お揃いの携帯 #2

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お揃いの携帯 #2

一緒に働いていた時も、 どーん!!!! といきなり大きい音がして、 あたしが(というか皆)びっくりして振り向くと、彼が机をぶっ叩いて完全にぶち切れていた。 なっ何してんの!? 後で話を聞くと、上の腐ったやり方が我慢できなかったらしい。 「あんなやり方じゃ、俺は管理だからいいけど…下の奴らが可哀相だ」 「あ~確かにそれはないね。あたしもむかつく! …でも会社だもん、そういう事もあるよ。 わざわざたっくんが不興を買うことない。 あっちが子供なん、たっくん大人になってあげなよ。ね」 「うーん…、そうだよね…」 それでも彼はちゃんと人の意見を聞ける人だった。 あたしは全く素直に聞けない方だから、そういうとこすごいなって思ってた。 愚痴もほとんど言わないし。…個人的には言われたいタイプなんだけど。 しかもすぐぶち切れるのに ほんのちょっとの嫉妬で過呼吸を起こすこともあった。 なんてバランスの悪い人なんだろう…! もっと生きやすい方法があるだろうに。 流されれば楽なのに。 あたしはいつも「困った人ね」って思いながらも、強烈に惹かれた。 その生き方も、行動も。
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