第1章

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「・・・、それで?エロい顔が戻らないって?」 「ちょっと、止めて。蒼李が聞いてるっ。」 「蒼くーん、ねんねですよー。」 「うわ、咲ちゃんまた酔っぱらいかよ。 うるさいから、寝るわ。あんまかあさんの事、いじめんなよ。おやすみなさい。」 おやすみなさい、と蒼李に声をかけて、咲を軽く睨む。 咲はお猪口を掴み、もう片方の手にはスルメを握りしめて、それはそれは男前にすっかり出来上がっている。これだけの美人なのに、気取った所がないなんて、完璧だよ。さらにドクターの旦那様は、大学病院の助教授、早くも教授か、のエリートなのに、気さくな、優しい王子様のような男性。ほんと、お似合いだなぁ。 教育大学で同窓だった咲。刑事だった夫に先立たれ、息子と二人暮らしをしてる我が家を気にかけて、咲はこうして時々訪ねてくれる。なんだかんだ言って蒼李も、咲が大好き。
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