おうこくのあさ

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21.おうきゅうのあさ (タマ じゃあね またいつか どこかで会いましょう・・・) 「・・・ぅさま おうさま 王様  起きて下さい!」 「う うーん」 「相変わらず朝が弱いですね 今日は裁判初日ですよ」 王様はいつの間にか ぐっすりとねていて 長い間夢を見ていたのでした 幼い頃の夢を 宮殿(と言っても 廃墟となった古いニンゲンの洋館を 勝手にネコの宮殿として使っているのですが) のステンドグラスから 朝のまぶしい光が差し込んで 虹色に輝いて王様を照らしました 王様は 毎日 裁判のときにどう言ったらいいのか悩んでいるうちに とうとう裁判の日の朝を迎えてしまったのでした しかし 夢の中での出来事が 王様に大胆な選択肢を与えました (よし! 我ながらいい思いつきをしたぞ!) 「王様 また何か悪だくみですか? また城から逃げようとしても無駄ですよ 今日は裁判初日ともあって いつもの三倍の厳重な警備がしかれていますから」 「老執事のジー」は言いました 彼は王様の世話係として 王様の日常生活の手伝いをしているのですが 王様の王様らしからぬ自由奔放さに いつも困りはてていました 「だいたい 王様がそんなに好き勝手をやられていては 民にしめしがつきませんぞ いいですか王様 王というものは 全国猫の模範となるべき存在であって・・・」 (あー またジーの長い説教が始まったなあ・・・) 王様は ジーが話に夢中なのをいいことに 隙をついて城を抜け出してしまいました
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