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24.おうのことづて
王妃は 王の言伝の書かれた手紙を読み始めました
「諸君 大変重要な裁判のさなか 席を外してすまないが 優秀な部下ゆえ 朕がいなくとも冷静な対応をとっていることと信じている
さて 今回席を外してしまったのは 言うまでもなく 止むに止まれぬ事情があったからだ
その事情というのは 外交上の問題であり 我々国民ひとりひとりの命にかかわる問題である
知ってのとおり 隣国のトマ王国は 我が王国の同盟国であり トマ国王は朕の実の兄である
そのトマ国王が 久しぶりに兄弟水いらずで会食会をしたい との書簡が届いたのだが どうもその書簡を届けに来た特使が道に迷ってしまったようで 書簡には 今日の晩までにトマ王国へと来い と書いてあった
そのため 皆にあいさつする時間もなく 急いで出発せざるを得なくなったのだ
何せトマ国王は気性が荒く いかに実の弟と言えども 約束の時間に間に合わなければ 朕の首はおろか 最悪の場合我が国がほろびることになりかねんのでな
もう時間がない 急がねば！
では諸君 留守を頼む」
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